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個人事業主の売上革命:ニッチ市場で勝つための捨て方

ニッチ市場で勝つための捨て方 マーケティング
マーケティング

今回は、新しくビジネスを始めようと考えている皆さんに、ぜひ知っておいてほしいことをお話しします。

それは「捨てる勇気」です。

私が日々、起業を目指す方々とお話しする中で気づいたことがあります。
それは、多くの人が「あれもこれも」と欲張りすぎてしまう傾向があるということです。

でも、実はそれが成功の妨げになっているかもしれないのです。一緒に考えていきましょう。

新規ビジネスあるある:「あれもこれも」症候群

あれもこれも症候群の美容師

先日、美容サロンの開業を考えているAさんと話をする機会がありました。

「はじめはカットやパーマなどの一般的なメニューではじめて、マッサージ、フェイシャル、ネイルなど、色々広げていきたいんです!40代以上の大人女性をターゲットにしたお店にしたいです」

Aさんの熱意は素晴らしいものでした。しかし、この「あれもこれも」戦略、
そして、「40代以上の大人女性」という大きな市場を狙う考え方には落とし穴があります。

「何でもできる」の罠

Aさんだけではありません。デザイナーとして独立したばかりのBさん。
どんなデザインが得意なのか質問すると、こんなことを言っていました。

「ウェブデザインも、ロゴも、パッケージも、何でもできますよ!どんな業種でも対応できます!
デザインのお仕事があれば、ぜひご依頼ください!」

一見、多くの仕事を取れそうに聞こえますが、実はこれが大きな問題なのです。

この時、ちょうど私は飲食店向けのチラシを任せられるデザイナーを探していました。
しかし、結果として、Bさんに依頼するには至りませんでした。

「何でもできる」と言われると、逆に専門性に不安を感じてしまい、
「せっかくお金をかけてチラシを作るなら、飲食店向けが得意な人がいいな。もう少し別の人にも聞いてみよう」
という気持ちになったのです。

記憶に残るのは「特別なもの」

皆さん、こんな経験はありませんか?
たくさんの人と名刺交換をして、後で「あの人は何をしている人だったっけ?」と思い出せなくなること。

実は、「何でもできます」と言う人ほど、記憶に残りにくいのです。
逆に、「飲食店のチラシが大得意なデザイナーです!」と言う人は、必要なときに思い出してもらえる確率がぐっと上がります。

何でもできるという人は記憶に残らない

小さな市場で大きな存在になる

ここで、重要なポイントをお伝えします。

小さいお店、特に1日や1ヵ月の上限顧客数が決まっているビジネスは、大きな市場を狙う必要はないのです。

例えば、90分の施術を行うサロンを考えてみましょう。
1日8時間営業だとすると、1日に対応できるのは最大5人程度です。
月に営業日が20日あったとしても、月間100人が上限です。

これは一見、少ないように感じるかもしれません。しかし、逆に考えてみてください。
毎月100人のお客様が来てくれれば、そのサロンは大成功といえるのではないでしょうか?

つまり、小さいお店は、わざわざ競合がひしめく大きな市場に挑む必要はないのです。
むしろ、小さな市場を主戦場にし、そこで選ばれる存在になることが重要なのです。

「捨てる」ことの重要性

ここで重要になるのが「捨てる」という考え方です。
「なるべく多くの人に好かれよう」とするのではなく、「特定の人に愛されよう」とすることが、小さなお店の成功の鍵なのです。

具体的に、どうすればいいのでしょうか?

自分の強みを再確認する

あなたが本当に好きなこと、できること、得意なことは何ですか?

全てのサービスが同じレベルであることはありません。
まずは、思いつくだけ書き出し、優先順位をつけてみましょう。

理想のお客さまを具体的に思い描く

あなたの強みを必要とするお客さまはどんな人か、具体的にイメージしてみましょう。
「誰でもウェルカム」ではなく、「こんな人に来てほしい」という顧客像をつくります。
その際、空想ではなく、実際のお客さまや友人など、実在する人物を想定すると具体化しやすくなります。

理想の顧客を具体的に想定する

一つ注意しなくてはならないのは、ここで想定する「お客さま」は、
「ニッチな市場」での「代表的な人物」である必要があるということ。

「ニッチな市場」の中で、さらに1人しかいないような悩み、欲求などをもった「お客さま」を想定してしまうと、
本当に1人にしか受け入れられない商品・サービスができてしまいます。

提供するサービスを絞り込む

あなたができること、やりたいことを全てやろうとするのではなく、
理想のお客さまに最も喜ばれるサービスに選択・集中しましょう。

この時、自分軸以外に、「顧客」と「競合」の存在から考えなくてはなりません。

自分がやりたいことは、本当に顧客が求めていることであるか。
自分がやりたいことで、顧客のニーズがあることでも、競合と全く同じになっていないか。
競合がいる場合、参入余地があり、自社ならではの特長で闘っていけるのか。

自社・顧客・他社、の3つの軸で考えましょう。

勇気を持って「捨てる」

理想のお客さま像や主力サービスに合わないものは、思い切って手放しましょう。

どうしても捨てきれない、やりたいことが複数個ある、という場合は、
優先順位をつけて1つずつスタートするのがおすすめです。

一度に色々なことを始めると経営資源や力が分散し、お店の特長もわかりにくくなってしまいます。
まず1つの新規ビジネスに注力してはじめ、軌道に乗せてから次のステップに進みましょう。

さあ、あなたの「捨てる」を見つけよう

新しいビジネスを始めようとしている皆さん。
「たくさんのことをやろう」「みんなに来てもらおう」という気持ちはわかります。
でも、それが本当に成功への近道でしょうか?

むしろ、勇気を持って「捨てる」ことで、特別な存在になることができるのです。

「捨てる」ことは、新しい可能性を手に入れること。
小さな市場でも、選ばれる存在になれば、素晴らしい成功を収めることができるのです。

皆さんの新しいビジネスが、特別な存在として輝くことを心から応援しています。
一緒に、「捨てる勇気」を持って、新たな挑戦を始めましょう!