売上アップに向けて日々奮闘している経営者の皆様にとって、目標達成は常に大きな課題です。しかし、せっかく立てた目標が思うように達成できないことはありませんか?
実は、目標実現を妨げる意外な要因があるのです。今回は、この見過ごされがちな「意外な落とし穴」と、それを「克服するための具体的な方法」についてお話しします。
目標設定の重要性と現実のギャップ
売上アップを実現するためには、具体的な目標設定が不可欠です。「今年度末までに売上を20%増加させる」といった明確な目標があれば、それに向けての行動計画も立てやすくなります。
しかし、多くの経営者が陥る罠があります。それは、目標を設定したにもかかわらず、日々の業務に追われるうちに、その目標を見失ってしまうことです。
目標達成を妨げる意外な要因
実は、目標が達成できない一番の理由は「忘却」なのです。
私たちは、重要な目標を立てても、時間が経つにつれてその重要性を忘れてしまう傾向があります。これは、人間の脳の特性によるものです。
双曲割引理論からの解説
この「忘却」のメカニズムを説明する興味深い理論として「双曲割引」があります。
この理論によると、人間は近い将来の報酬を過大評価し、遠い将来の報酬を過小評価する傾向があります。
例えば、「今日の売上100万円」と「1年後の売上1000万円」では、多くの人が「今日の100万円」に価値を感じてしまいます。
また、日常生活においてもこの現象は見られます。ダイエットの例を考えてみましょう。
「半年で10kg痩せる」という目標を立てたとします。しかし、友達とカフェに行った時に「今日くらいはいいか」とケーキを頼んでしまう。これも双曲割引の一例です。
目の前の小さな誘惑(ケーキ)が、遠い将来の大きな目標(ダイエットの成功)よりも魅力的に感じてしまうのです。
日常業務との戦い
経営者の皆様は、日々の業務に追われています。顧客対応、スタッフ管理、資金繰りなど、やるべきことは山積みです。そんな中で、長期的な目標は後回しにされがちです。
「今日の売上を確保するのに精一杯で、1年後の目標なんて考えている余裕がない」という声が聞こえてきそうですね。
しかし、これこそが「忘却」の罠にはまる典型的なパターンなのです。
目の前の業務に集中するあまり、大切な長期目標を忘れてしまう。そして気がつけば、目標達成の期限が迫っているという事態に陥ってしまいます。
「忘却」を防ぐための具体的な対策
では、どうすれば「忘却」の罠を回避し、確実に目標を達成できるのでしょうか?
以下に、効果的な方法をいくつか紹介します。
1. 目標の可視化
目標を忘れないためには、常に目に見える形にしておくことが重要です。
- 事務所の壁に大きく掲示する
- デスクトップの壁紙にする
- スマートフォンのロック画面に設定する
こうすることで、無意識のうちに目標を思い出すきっかけを作ることができます。日に何度も目にする場所に目標を置くことで、「双曲割引」の影響を軽減し、長期的な視点を維持しやすくなります。
2. 定期的なレビュー
週に一度、あるいは月に一度、目標の進捗状況をチェックする時間を設けましょう。
- カレンダーにレビューの予定を入れる
- 社内ミーティングの議題に組み込む
- 進捗状況を可視化(グラフなど)して共有する
定期的なレビューは、目標を忘れないだけでなく、達成に向けての意識を高める効果もあります。また、短期的な成果を確認することで、「双曲割引」の欲求も満たすことができます。
3. 小さな目標の設定
大きな目標を達成するためには、それを小さな目標に分解することが効果的です。
例:「1年後に売上20%アップ」という目標の場合
- 1ヶ月目:新規顧客を3社獲得
- 3ヶ月目:既存顧客の平均購入額を5%アップ
- 6ヶ月目:新商品のラインナップを増やす
小さな目標を達成していくことで、即時的な報酬感を得られ、モチベーションを維持しやすくなります。これは「双曲割引」の特性を逆手に取った戦略と言えるでしょう。
4. 目標達成支援パートナーの活用
目標を誰かに宣言し、定期的に報告することで、「忘却」を防ぐことができます。
- 信頼できる経営者仲間と目標を共有する
- メンターや経営コンサルタントに進捗を報告する
- 社内スタッフと目標を共有し、一緒に取り組む
他者の目があることで、責任感が生まれ、目標を忘れにくくなります。また、定期的な報告は、短期的な成果確認の機会にもなり、「双曲割引」の影響を軽減する効果があります。
目標達成への道:「忘却」を克服し、成功をつかむ
「忘却」は目標達成の大きな障害ですが、適切な対策を講じることで克服できます。目標の可視化、定期的なレビュー、小さな目標の設定、目標達成支援パートナーの活用など、様々な方法を組み合わせることで、確実に目標に近づくことができるのです。
当社では、経営者の皆様の目標達成を支援するため、日々のサポートを通じて「忘却」を防ぐ取り組みを行っています。時に褒め、時に背中を押しながら、毎日サポートによる本気の伴走型の支援をしています。これは、まさに「目標達成支援パートナー」としての役割を果たすものです。
経営者の皆様、今日から「忘却」と上手く付き合いながら、目標達成への道を歩んでみませんか?きっと、新たな成功への扉が開かれるはずです。