売上アップしたい、経営改善したい。これは、多くの小規模事業の経営者が日々抱える切実な悩みではないでしょうか。
そんな経営者のあなたに、まず取り組むべき重要なステップをお伝えします。
それは「ゴールの設定」です。
このコラムでは、なぜゴール設定が経営改善の要となるのか、
そしてどのように効果的なゴールを設定すればよいのかについて、ご紹介します。
特に1人ビジネスで奮闘している皆さんこそ、明確なゴールが不可欠なのです。
なぜゴール設定が経営改善の鍵を握るのか
1人ビジネスを営む上で、明確なゴールを持つことの重要性は、想像以上に大きいものです。
その理由は、主に3つあります。
方向性の明確化
ゴールがないビジネスは、目的地も地図もなく旅に出るようなものです。
旅なら気の向くままに過ごしても、結果が楽しければ良かったと言えるかもしれません。
しかし、ビジネスにおいてそれは危険きわまりない選択です。
明確なゴールがあれば、正しい方向に進んでいるか確認できます。
モチベーションの維持
事業開始直後や好調時はモチベーションも高いものです。
しかし、日々の業務に追われたり、マンネリ化したりすると、当初の熱い想いを忘れがちになります。
特に、1人事業では、誰かが励ましてくれたり背中を押してくれたりすることはありません。
しかし、明確な目標があれば、忙しい時期でも自らモチベーションを取り戻し、前を向いて進むことができるのです。
進捗の測定
ゴールがあれば、そのゴールに対して自分がどれだけ前進したかを常に測定できます。
現在地を把握することで、次のステップへの原動力が生まれます。
そして、達成感を味わうことで、さらなる成長への意欲も湧いてくるでしょう。
ある1人ビジネスの経営者はこう語っています。
「以前は、ただ漠然と『もっと稼ぎたい』と思っていただけでした。でも、具体的な数値目標を設定してからは、
毎日の行動に明確な意味が生まれました。結果、売上が30%も伸びたんです！」
金融機関が重視する「創業理由」の真意
皆さんは、事業計画書を作成したことはありますか？
金融機関から融資を受ける際、最も重視されるのが事業計画書の「創業理由」の欄とも言われています。
なぜ金融機関がこれを重視するのか。それは、あなたの事業の「ゴール」が明確かどうかを見極めるためです。
具体的には、以下の点を評価しています。
– なぜその事業を始めたのか？
– 何を達成したいのか？
– その事業を通じて、どんな価値を提供したいのか？
これらが明確でない事業者は、長続きしない可能性が高いのです。
金融機関は長年の経験からそれを熟知しているのです。
あなたの「創業理由」は明確ですか？
ここで、少し立ち止まって自問自答してみてください。
– 自分の事業の存在意義は何か？
– 5年後、10年後、どんな姿を目指しているのか？
– その目標に向かって、日々どんな行動をしているか？
これらの質問に即答できない方は、ゴールの見直しが必要かもしれません。
これは創業したばかりの方だけでなく、何年も事業を続けている方にも当てはまります。
時間の経過とともに、当初の目的を見失ってしまうことは珍しくありません。
ぜひ、改めて「なぜこの事業をやっているのか」を見つめ直してみてください。
思わぬ新たな発見があるかもしれません。
効果的なゴール設定の方法
それでは、具体的にどのようにゴールを設定すればよいのでしょうか？
以下の4つのステップを踏んで、効果的なゴール設定を行いましょう。
大きな目的を設定する
まず、あなたの事業の究極的な目的を考えます。これは抽象的な内容でも構いません。
例えば、「地域の課題を解決する」「お客様の生活を豊かにする」といったものです。
この大きな目的が、あなたの事業の羅針盤となります。
具体的な目標を立てる
大きな目的に向かって、想像できる近未来の目標を設定します。
まず、5年後のゴール・ありたい姿を描き、そこから逆算して、3年後、1年後と具体的な目標に落とし込んでいきます。
短期目標を数値化する
1年後の目標を達成するための短期目標は、可能な限り数値化して設定しましょう。
例えば、以下のような内容になります。
– 1ヶ月後：新規顧客を3名獲得する（×：新規顧客獲得）
– 3ヵ月後：月間売上を5%増加させる（×：売上アップ！）
– 半年後：新サービスを1つ開発し、テスト提供を開始する
短期目標を設定する際は、注意が必要です。
いきなり大きすぎる目標を掲げると、達成できずにやる気を失い、つまずいてしまう可能性があります。
まずは小さな、少しの努力で達成可能な目標から始めて、成功体験を積み重ねることが大切です。
作成した目標を振り返る
せっかくゴールを見つめ直し、目標設定をしても、頭で考えただけ、書いてしまっただけでは忘れてしまいます。
目標を目に見える場所に貼っておく、手帳に書く、スマホの背景に設定するなど、
常に振り返り、確認ができるようにしておきましょう。
日々の行動が目標に近づいているか、定期的にチェックすることで、着実に前進できます。
1人ビジネスの経営改善：遠回りこそ近道
小規模事業者、特に1人ビジネスの経営者の皆さんは、全てを自分でこなさなければならず、日々忙殺されていることでしょう。
「経営改善のための手っ取り早い方法を知りたい」と思っているかもしれません。
しかし、焦る気持ちを抑えて、一度立ち止まってみてください。
そして、あなたの事業の目的、あなた自身が目指す理想の姿について、じっくりと見つめ直してみてください。
これは一見、遠回りのように感じるかもしれません。でも、実はこれこそが一番大切なステップなのです。
なぜなら、明確な目的とゴールがあってこそ、本当の意味での経営改善が可能になるからです。
1人で奮闘する事業主だからこそ、時に立ち止まって自分の進む道を確認することが必要なのです。
それが、結果的には最短で成功への道筋をつけることになるのです。
経営改善の道のりは決して平坦ではありません。
しかし、長期的に成功する経営者は、必ず明確なゴールを持ち、それに向かって着実に進んでいます。
1人ビジネスだからこそ、自分自身としっかり向き合い、理想の未来を創造していきましょう。
